--- ふゆみずたんぼ ---

ふゆみずたんぼ」→冬水田んぼって何?

 見たままの、冬期間に水を貯めたままにした田んぼの事です。かなり古くからある伝統的農法です。見出しが簡単なので、専門的には「冬季湛水・不耕起・無農薬無化学肥料栽培」と言ったところですかな?
 欧州やアメリカ・韓国などでは既に実施しており、田んぼの自然湿地的な機能を回復させるのが主な目的です。環境保全型農業から水田の持つ多面的機能の強化へ向けて一歩前進!
 ふゆみずにする事で、田んぼの湛水期間が長くなり微生物や小動物が生活しやすくなり、結果的に多様な生き物が生息できる環境になります。基本的な「土を作る」事や「雑草抑制」、「天敵による害虫駆除」が自然の世界で行われるのです。それが実際にどのようにして機能しているのか?どんな生き物がどれくらいいるのか?・・・「田んぼの生き物調査」する事で我々も原点に戻って勉強し直しです。
※ターゲットへ移動 H17年度H18年度H19年度

まずはここから始まった
畦改修工事 2004/11/28
 まずはきちんと水がはれる状態にしなければなりません。そのためには畦塗りが基本!調査圃場になっている矢住の平野君・相沢さんの田んぼは水漏れがひどいので、バックホーで本格的に改修しました。
 畦に穴を開けてしまう主な動物は、ネズミ・ヘビ・ザリガニです。特に冬場のネズミの穴は放っておくと、水の流れでどんどん浸食され最終的には畦自体が無くなってしまう事もあります。
水はり完了 2004/11/30
 この田んぼを山沿いに上った所に溜池があります。そこから水を入れて畦改修後2日でOK。・・・しかし、これは簡単なようで簡単ではありません。このように年間を通して水を確保できる事が非常に難しいのです。
 特に基盤整備が進んだ現代の田んぼは、秋になって水を送るポンプ場が止まってしまうと水をはりたくても出来ない!田んぼの貯水機能なんて最近よく使われますが、ふゆみずに取り組むとそれが実感できます。
岩淵先生来区 2004/10/16
 生き物曼荼羅教祖・・・冗談ですが、ふゆみずたんぼ生き物調査隊長を講師としてお招きし、貴重な講演と調査の簡単な実技をしていただきました。
 東京マイコープ田植ツアーを行った田んぼでの調査でしたが、何とイトミミズとユスリカ発見!平野君と相沢さんの田んぼですが、うらやましくなりました。
生き物調査シンポジウム 2005/3/12〜13
 H17年度より「田んぼの生き物調査プロジェクト」が設置されました。首都圏コープ事業連合・JA全農全中・NPOふゆみずたんぼ・各産地生産者団体で構成され、19年度は全国で16産地が参加するようです。
 それに先駆けて、シンポジウムが開催されました。講演、パネルディスカッション、交流会、意見交換など活気に満ちています。水槽の写真は前年取り組んだ田んぼの土です。すでにイトミミズの働きにより有機物が分解されトロトロ層が出来ています。
雪が解けて・・・ 2005/3/21→31
 雪深い矢住地区もだいぶ雪解けが進みました。とは言っても、やはり雪解け水はピリッと冷たいです。イトミミズ達はいるのでしょうか?
 そう思ってたら、右の写真の通り!ヤマアカガエルの卵です。シンポの時に岩淵先生がおっしゃっていましたが、田んぼの生き物は雪の下でもしっかりと生きているようです。
平成17年度生き物調査風景
百聞は一見にしかず 4/13 1回目調査
 初めての生き物調査!とは言ってもこの時はイトミミズとユスリカを中心にした「土取君」調査です。バケツに田んぼの土を取り、目の細かい網を使って丁寧に洗います。研修で経験があるとは言え、よく洗いすぎてイトミミズがちぎれてしまいました。
 この時既にヤマアカガエルのオタマジャクシが盛んに泳いでました。オタマジャクシにはかわいそうですが、田んぼに有機物を施すため、米ヌカペレットをまきました。
岩淵調査隊来る! 6/12 2回目調査
 「田んぼの生き物調査プロジェクト」の専門家に来て頂き、本格的指導を受けました。GPSを使った調査地点の確認、複雑な機材を使った水質調査、生き物の同定・・・etc。正直奥が深く、専門的すぎてわからない!こんな事、我々だけでできるのか不安になりました。
 しかし、ホッとする瞬間もありました。普段は忙しさのあまり観察などしない田んぼ。この調査のおかげで田んぼは生きていると実感しました。
ムシムシ暑い 7/29 3回目調査
 左はイチョウウキゴケ。これがはびこると相当な抑草効果が得られるとか・・・。春にはほんの一握りくらいしかなかったのに、随分エリアを広げてました。
 それにしてもこの時期の調査は難儀です!稲は大きいし、葉は堅いし、おまけに梅雨明け前後でムシ暑い!水質調査の機材に汗が落ちて大変でした。
苦労むなしく・・・
 
左はヒエ取りしてる西條です。この時想像以上に生えてるヒエ退治に7人くらいで向かいました。この田んぼは生き物調査のために借りてます。メンバーの田んぼとは言え、草だらけはマズイ!と張り切って取りまくりー完璧!!
 ・・・その結果右の写真。全面ヒエ!1月半ほどで完璧に取ったはずのヒエがここまでひどくなるとは。取りこぼしと新しく生えたモノと思われますが・・・ひどすぎます。でもこの後がもっと驚き!この状態で何と普通栽培と同じ収量がありました。ヒエは減収要因にはならない??
平成18年度生き物調査風景
早くも効果が? 4/10 1回目調査
 この年は十数年ぶりの豪雪で大変でした。調査圃の矢住地区は頸城の山場のため雪解けが遅く、寒い寒い!おかげでふゆみずたんぼには良かったようです。
 この田んぼでの調査は2年目に突入!そして早くも明らかな効果が見られました。田んぼを見回すとチョット変?昨年も確認したヤマアカガエルの卵塊(写真右)。・・・数え切れない!田んぼに入れないくらい卵塊だらけ!!たった1年でここまで復活するの?
初イベント! 6/4 2回目調査
 生き物調査を行っている各産地は人手に困ってないらしい。しかし我々は困っている・・・。と言う事で地元上越の子供と農業高校生を交えての調査イベント開催!生き物に興味を持つ子、泥で遊ぶ子様々でしたが最後には感想を発表してもらって無事に終了できました。
 しかし、子供たちに生き物の数を数えさせるのは失敗でした。イトミミズもユスリカもセンチュウもみんなごちゃ混ぜ・・・。仕方ないですね、興味を持ってもらう事に意義があるのですから。
さびしく・・・ 7/5 3回目調査
 この時の調査は寂しかった。人数が少ない上に、昨年調査した田んぼは右写真の通りコナギだらけ!今年は調査対象になっていないとは言え、心苦しくなりました。
 しかし収穫あり!昨年と農法を変えた調査圃。今年は春の草がひどかったので、不耕起ではなく1回代掻きしました。その甲斐があったのか、あまり草が生えてない!・・・とは言えないけど少ない事は確か!でも昨年の失敗があるので除草機で対応しました。
成果を出したい3年目の平成19年度
秋代掻き挑戦! H18年10月
 2年のふゆみずたんぼ生き物調査とこれまでのやよいの経験からある決断を下しました。稲ワラの腐植促進と春先のトロトロ層を増やすには秋のうちに水を入れて代掻きをしたらどうか?上越の山間部(天水田)では、秋代掻きはごく当たり前の作業です。水の確保と地滑り防止のためです。早速話を聞きに行ったところ、春先はトロトロ層が厚くて逆に大変な事もあるとか・・・。
 これだ!!平地でやったらどうなるか?即実験開始!・・・ポンプで水を揚げて田起こし代掻きとまるで4月に戻ったよう。この春から楽しみです。
全然違う、良い予感 4月田植え前
 先に反省点から。水持ちの悪い西條の田んぼは前年秋に畦塗り&畦マルチ。しかし、強風地帯では要注意!畦マルチはボロボロ・塗った畦も波に洗われガタガタ。畦草の必要性を実感しました。
 さて、田植え前に一度落水。濁った水の下に現れたのは何ともきれいな田面!例年の不耕起冬水とは天地の差!しかもすでにイトミミズを筆頭に生き物ワールドが出来ている。表面はトロトロで、このまま行けばこの状態のまま田植えが出来る!まさに順調?
土が違う! 4/26 1回目調査&5/16田植え
 1回目の生き物調査でも違いを実感。採取した土はトロトロで洗いやすい!おかげで調査もはかどった!日差しで水温が上がり、そろそろ草は動き始めても良い頃だが、この時点でも草は全くなし。発芽する気配もない。
 ・・・と向かえた5月半ば。相変わらず草は生えず、生き物たちは活発!おまけに鳥たちも群がる状態に。・・・これはイケル!何もせずそのまま田植え!春になって耕耘・代掻き一切無しだが、トロトロ層のおかげで全く問題なく田植え終了。同日に、生き物のエサと除草効果を兼ねて米ヌカペレットを散布。右写真の赤い点は丸々太ったイトミミズ。
上越市(農地水協議会)動く 7/7・8 2日間の大イベント開催
 3回目の調査は関係機関や地域住民を募った2日間にわたる大?イベントを行いました。1日目午前は、大潟区の農業者と地域住民で組織された「潟川ほっと環会議」、1日目午後と2日目は、上越市農地水環境保全協議会が主催です。2日間で延べ100名の参加がありました。
 参加者は老若男女、一般から生産者までそれぞれに有意義な雰囲気で終了でき、本当に良かったです。関係機関・地域住民・生産者・・・色んな人が集い、新たな面から環境を考える。このようなきっかけを、「やよい」の存在で作る事が出来た事に大きな前進を感じました。岩渕先生はじめ、御協力いただいた方々に感謝です。
自然の力で大発見! 6月末〜7月頭 大雨で冠水=深水
 驚愕としか言いようがありません。左の写真は秋代ふゆみずたんぼに浮いているコナギです。除草作業もせず、探すほどしかなかったコナギ。大雨で冠水した後、久しぶりに田んぼに入ったら発見しました。よく見るとあちらこちらに、大小関係なく浮いてました。嘘でもやらせでもありません。大雨の冠水でおそらく1日中20p程度の深水になり、トロトロ層にやっと根を張ったものの、自分の浮力に負けて浮いたのだと確信してます!この時点でのトロトロ層は8〜9p。
 お祝いに?生き物調査プロジェクト・やよい・上越市の関係者で、JAS有機の田んぼで取ったまさに無農薬栽培のコナギを天ぷらにして食べました!・・・これがまたホントに美味い!

・・・スタートして3年が経とうとしています。
 約2ヶ月に1度、年に3〜4回の予定で生き物調査を行います。1回目は4月、2回目は6月に本格調査です。調査には水質の分析も含まれています。何と言っても開拓したばかりの分野!いつも草取り人員の確保に懸命でした。
 しかし!これを機に、我々も「ホンモノの百姓」に成長できるのではと期待しています。
調査の結果は、−生きもの調査ブログhttp://tanbonoikimono.boxerblog.com/tanbo/
ワードファイル(データ保管庫)http://briefcase.yahoo.co.jp/pnrbt806 [田んぼの生きもの調査]→[速報版]
ウェブ上で全国の状況を見る事が出来ます。覗いてみて下さい。我々の調査も載っています。


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